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医師として生きる 6:医局長時代(その2)

2020/06/24

こんにちは。

院長の鈴木です。

今回はシリーズ6となります。どうぞお付き合いくださいませ。

◆シリーズ6:医局長時代(その2)

私の医局長時代の最も印象的な出来事といえば、何と言っても某大物コメディアンが交通事故で入院してきた件です。 当時は大変な騒ぎでしたので記憶に残っている方も多いかもしれません。
この患者さん(大物コメディアン)自身も、自著「顔面麻痺」という本の中で、当時のことを克明に綴っていらっしゃるので、個人情報保護には抵触しないでしょうから、その当時の様子を現場目線から少しだけお話しさせていただきますね。

1994年8月。
真夜中にT氏が大学病院の救急救命部に搬送されてきました。
その時当直をしていたのが形成外科の同期のI先生です。
(彼はちょうどその時期に形成外科から救急救命部に半年間だけ移籍していたタイミングでした。)

東京都の救急指令センターから交通事故の患者の受け入れの依頼を受け、たまたまベットが空いていたため受け入れたところT氏だったというわけです。
最初は患者さんがT氏だとは全く気づかなかったそうです。

翌朝になってみると、世間は大騒動です。
I先生は記者会見にも出席し、マスコミからも相当な取材攻勢にあっていました。
(ほとぼりが冷めるまでは、病院の裏口からこっそりと通勤する生活が続いていました。)

T氏の治療については、入院直後にとったレントゲンやCTスキャン、臨床所見から側頭骨、頭蓋底、頬骨、下顎骨に明らかな骨折が認められ、顔面神経にも大きな損傷があることは明らかとなり、命を取り留めるのと同時に、これらの治療も平行して行われることになったわけです。

顔面の骨の骨折治療は形成外科のテリトリーであり、I先生からの連絡で早速われわれ形成外科がメインになって治療を開始することになります。
その時医局長であった私は、主治医として当然のことながらT氏の治療に関するマネジメントすべてを任されることになりました。

1週間位して生命の危険性が無くなった時点で形成外科の教授を中心に骨折の治療がなされました。
顔面骨骨折の治療は、我々が形成外科の治療としていつも行っている内容でしたので、難なく成功しましたが、問題は、顔面神経麻痺がどこまで回復してくれるか、でした。

T氏の退院の際の記者会見をテレビで見られた方の中には、彼の大きくゆがんだ顔を見て、ショックを受けた方も少なくなかったのではないでしょうか。

しかし、我々としては、骨折の整復手術によって、顔面神経を圧迫する症状がなくなり、わずかではありますが顔面神経麻痺の回復を確認していましたので、この後かなりのところまでは回復してくれるだろうと予想して退院を決定したわけです。

退院後は彼自身のリハビリの努力、回復力の強さ、賢さによってみるみる回復し、いまだわずかに麻痺は残ってはいるものの、現在も目覚しい活躍をされていらっしゃいますね。

病室での面白いやり取り等、今では、医局長時代の懐かしい思い出のひとつです。


ここまでの長文お付き合いありがとうございました。

また次回は医師として生きる7で。

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